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新車の試乗レポート(No11~20)

  • a i マネジメント・オフィス代表伊熊昭等は、国内外の新車に試乗をしてユーザーの視点でレポート行っています。順次情報をアップしますのでこれから購入予定の方は参考にしてください。なお、内容は、あくまで個人的な評価ですので予めご承知置き願います。

ホンダ「S660」(2015年)




  • スポーツタイプの軽自動車でデザインの斬新さから今から注文しても来年の4月以降でないと手に入らないという人気車です。
  • 660cc3気筒、最大64馬力ターボ・エンジンを搭載しミッドシップ・リアドライブ(MR)となっていますが、いわゆる、リアエンジン・リアドライブ(RR)という最近お目にかかれない方式です。このRR方式は、1962年(昭和37年)に発売されたマツダ「初代キャロル」にすでに採用されていました。私も小学生のころ叔父が運転するこの車に乗ったのを覚えています。荷物を入れるトランクルームが前にあるという面白い自動車であったことと、後部座席に乗っていてエンジンの振動音が大きく酔ってしまったという苦い思い出のある車でした。
  • さて、試乗しての第一印象は、「室内が煩い!」「硬い!ゴツゴツしている!」低いドライブポジションからまるでゴーカートに乗っている感じでした。エンジンルームと室内間の遮音がほとんど考慮されずエンジン音がダイレクトに飛び込み、アクセル踏み込むと「ターボのON/OFF」の音も良く聞えます。スポーツ・モードにすると軽自動車とは思えない加速性で軽快な走りを楽しめます。
  • しかし、エンジンやターボのON/OFFの「音質」が余りにも悪すぎ、「楽しめるエンジン音」ではなく「単なる騒音」としか感じませんでした。
  • 従来のホンダ車は、エンジンの音も楽しむことのできる設計がされてそれがホンダ車の個性でもありましたが「S660」開発者には、「音質評価」という感性が無いのではと疑いたくもなりました。加えて、エンジンの振動音がハンドルに結構伝わり、短時間の試乗でしたが手が疲れました。
  • 最近、同じ軽自動車のスポーツ車、ダイハツの「COPEN」を試乗しましたが、「S660」と比較して私はダイハツの「COPEN」に軍配を上げます。

ダイハツ「COPEN」(2015年)



  • ​フルモデルチェンジをしたダイハツ「COPEN」の試乗レポートです。
  • ダイハツは、「TANTO」や「MOVE」など人気車を発売する「軽自動車」部門では国内トップレベルの会社です。
  • ダイハツ車では、以前「MOVE」を試乗したことがありますがトータル・バランスの良さと運転のし易さに感心したものでした。
  • 「COPEN」は、軽自動車のスポーツタイプという独特のモデルで2002年から発売をしていましたが今回、12年ぶりの発売で、その中で6月にリリースした「COPEN Cero」を試乗しました。独特のヘッドライトと二人乗りでスイッチ一つでオープンカーとしても使える660cc3気筒、最大64馬力ターボ・エンジンを搭載しています。
  • 試乗してみると、シートのフィット感は良いのですが低いドライブポジションで視界がやや狭く、硬めのゴツゴツした乗り心地からお世辞にも静かとは言えませんでしたが暫くして段々慣れてくると結構「面白い車だ」ということが分かりました。
  • 路面をしっかり捉え、車体に変なゆれも少なく、ハンドルのさばきも自分の期待通りに反応します。CVTによる加速性も軽自動車としては充分なレベルです。
  • 「COPEN」のコンセプトは「クルマって楽しいを届けたい」です。其の通りで私のあこがれは「自分一人で自由なドライブを楽しむ」ですがそれに合った車です。
  • 価格、維持費の点でもちょっとした買い物にも使えるセカンド・カーとしてお勧めできる車です(勿論、お財布に余裕があればですが・・・・・・)。

 

マツダ「ATENZA」セダン(2015年)



  • マツダ「ATENZA」セダン2015年モデルを試乗しました!
  • 最近のマツダ・デザインと「SKYACTIVーD」という低圧縮で動作させる独自開発のディーゼル・エンジンという技術にも興味がありました。
  • 私の「マツダ車」に対する今までのイメージはどちらかというと、トヨタや日産に比べて地味と言うか安っぽい内装(失礼)という先入観がありました。
  • 今回試乗した「ATENZA」は、斬新で洗練された外観のデザイン、運転席に座ると落ち着いた高級感あるインテリアデザインから幅広い年齢層をターゲットにした車であると思います。
  • 2.2リッターのターボディーゼルエンジンですが一番良く使うエンジン回転数の2000rpmで42.8kgm(420Nm)というディーゼルエンジン特有の大きなトルクは通常走行には十分すぎるほどの力があり足回りもしっかり路面を捉えていました。
  • 残念ながら、次の2点が気になりました。
  • ①アクセルを踏んだ時の「加速応答性が鈍い」ことです。マツダには「人馬一体」という人と車の一体感を大切にする開発コンセプトがありますが、今まで他のマツダ車を試乗しても私にはシックリいきませんでした。現在乗っている日産スカイライン250GTと比べてアクセルを踏んだときのレスポンスの悪さが気になっていました。実は、昨年の「PMI日本支部 Forum2014」でマツダの開発エンジニアの講演がありその中で「アクセルを踏んでもエンジン燃焼までに0.3~0.4秒のディレイ・タイム(遅延時間)を意図的に設けている」という説明がありました。ようやく謎が解け私の感覚は、正しいことが分かりました。残念ながら「ATENZA」も停止から始動するときのレスポンスには不満でした。
  • ②「エンジンの音色」がカラカラという軽い音質であまりにも安っぽく感じることです。軽自動車の価格であればなんら問題はないのですが「車格にマッチした音質」と言う点からは不満でした。運転中には、色々な音が聞えますがエンジンの音も室内に入ってきます。運転者としては、小気味良くエンジンが吹き上がる音も楽しみたいものです。同じディーゼル・エンジンを使っているベンツやBMWに試乗をした時とは、明らかにエンジンの音質が異なっていました。
  • どんな優れた技術であっても最終的には運転する人の感覚が重要であり運転者の感性に訴えることのできる車の開発を望みたいものです。

    その他の試乗レポートは、ここをご覧ください。